開発実績インタビュー

ITとカルチャーの力で、新たな地域活性化を目指す! 沖縄の若者と共に創る、株式会社TRIBALCON.の動画SNSアプリ「わぉ!」

株式会社TRIBALCON.
代表取締役/クリエイティブディレクター 生本 訓昭 様

株式会社TRIBALCON

株式会社TRIBALCON.代表取締役の生本訓昭様(右)、フィグニー代表の里見(左)

INTERVIEW

株式会社トリバルコンは、グループ会社であるBALCOLONY.のクリエイティブなDNAを受け継ぎ、デジタル関連のエンタメ領域で多角的な事業を展開している。その中で、一人のスタッフの想いをきっかけに立ち上がった沖縄支社での活動を通じて、地域の若者たちへの貢献という新たなテーマを見出した。この想いを形にするため、沖縄の若者たちが楽しみながら地域と繋がるアプリの開発をフィグニーに依頼。 代表取締役の生本訓昭様に、アプリ開発までの経緯、フィグニーを開発パートナーに選定した理由、そしてアプリが描く今後の展望について、詳しくお話を伺った。

プロジェクト概要

フィグニーは本プロジェクトにおいて、沖縄県の10代〜20代をターゲットに、動画コンテンツを通じて地域との繋がりや才能発見を促す動画SNSアプリ「わぉ!」の開発を担当しました。 本システムは、フロントエンドにはFlutterを採用し、バックエンドにはAWS上に構築されたLambdaとPython、データベースにはPostgreSQL、そしてAPI層にはGraphQL、インフラ構築にはAWS CDKを活用した技術スタックを構築しました。 ユーザーが動画を投稿し、バトル形式で交流を深めるというアプリの特性上、直感的な操作性と安定したパフォーマンスを重視。特に管理画面においては、コンテンツの生成やイベント管理をトリバルコン様が容易に行えるよう、シンプルなUIと効率的な管理機能の設計・実装に注力しました。

動画SNSプラットフォーム

ーまず、御社の事業内容についてお聞かせください。

トリバルコンは、グループ会社のBALCOLONY.というクリエイティブチームを前身としています。 BALCOLONY.はエンタメを中心としたグラフィックデザインの会社で、約20年の歴史があります。もともとは紙媒体のデザインが中心でしたが、10年ほど前からWebサイト制作などのデジタルワークの依頼が増え始めました。そこで、グラフィックデザインとは別にWebサイトデザインやコーディングを行うチームとしてトリバルコンが立ち上がったんです。 現在は創業11期目を迎え、事業内容は時代のトレンドと共に大きく変化しています。Webサイト制作はほとんど行っておらず、今は主にVtuberとの共同プロジェクトや、彼らの活動をスケールさせるためのイベント制作、さらには3Dモーションスタジオの運営など、デジタルコンテンツ制作に特化しています。 そしてもう一つ、音楽イベントや興行などのリアルイベントの企画・制作も手掛けています。もともと音楽が好きで、仕事を通じて出会った音楽、映像、イラストなどのクリエイターの方々が集うイベントを立ち上げています。コロナ禍を経て「リアルイベントをやりたい」という声が高まり、開催スタートからたくさんの方々に来場いただいています。 どちらの事業も、社内のクリエイターやスタッフの「好き」という気持ちから始まり、それが会社の成長に繋がっていると感じています。

ーデジタルコンテンツやイベント制作をメインに行っている御社が、なぜ沖縄を舞台にした動画SNS「わぉ!」を開発するに至ったのでしょうか。

アプリ開発は、実は一人のスタッフの退職検討がきっかけでした。彼との対話の中で、「もっと彼に合った別の働き方があるんじゃないか」と思い、そこで出たのが、沖縄支社の立ち上げというアイデアでした。 沖縄に支社を置くにあたっては、単なる東京の仕事の延長ではなく、「沖縄県内でデザイナーになりたい人が、東京の仕事ができる環境を作る」という明確な目的を持ちました。沖縄にいながらにして、東京の最先端のクリエイティブに触れ、スキルを磨ける場を提供することで、地元の人材育成に貢献したいという強い思いがあったからです。実際に、立ち上げ当初は経験の浅かった沖縄のスタッフたちが、今では東京のメンバーと遜色ないほどに成長してくれています。 そして、この沖縄での事業展開を進める中で、私たちは地域への貢献についても深く考えるようになりました。沖縄の若い世代からは「何をしたらいいかわからない」といった悩みの声を聞く機会が多かったからです。そこで、「働く前の若い人たちに向けて、何か楽しいことを提供できないか?」という思いが、今回のアプリ開発の根本的な着想へと繋がっていきました。

ー1人のスタッフのために沖縄支社を立ち上げられたというお話、生本社長の人を大切にする姿勢に大変心を打たれました。そうした様々なご縁が重なり、今回私たちフィグニーにアプリ開発をご依頼いただけたことは光栄です。改めて、私たちを開発パートナーに選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

いくつかのアプリ開発会社を検討する中で、最終的にフィグニーに依頼した決め手は、ご紹介がきっかけではありましたが、何よりも私たちと「共に創る」姿勢を感じた点です。 一般的な受託開発は、決められた仕様をこなすことが多いですが、フィグニーは私たちの想いやアイデアを深く理解し、積極的に議論に参加してくれました。時に私たちのアイデアが暴走しがちな時も、プロジェクトのスケジュールや進行管理をしっかり行いつつ、最適な形へと導いてくれる。この柔軟で協業的な開発スタイルこそ、まさに私たちが求めていたものであり、それが決め手となりましたね。

ーありがとうございます。続いて、本プロジェクトにおけるフィグニーへの評価を伺えますか。

フィグニーとの開発で特に印象的だったのは、私たちが「こうなったらいいね」とアイデアを広げていく段階で、フィグニーさんがただそれを受け入れるだけでなく、アイデアの中に潜む矛盾点を見つけて、より良い方向へと導いてくれたことです。開発のプロならではの視点で、「これとこれは両立が難しいから、どちらかを選んだ方がいい」といった具体的なアドバイスをいただけたのは、本当に助かりましたし、私たち自身も多くの気づきを得ることができました。 開発を進める中で、私たちだけでは気づきにくい細かなユーザーインターフェースや表示の仕方、見えない部分での考慮点など、ユーザービリティに関するきめ細やかな提案をたくさんいただいたことも、高く評価しています。私たちの「これをやったらここに影響するのかな?」という漠然とした部分も、サーバーやフロントエンドの専門的な視点から的確に指摘してくださり、打合せを重ねていくうちに質問の方向性まで明確になり、開発がスムーズに進みました。 また、フィグニーの皆さんは人柄も素晴らしく、特に「必要なフェーズで、必要な専門家がパッと出てきて、しっかりと役割を果たすと、またスッと引いていく」というスタイルには驚きました。

ー全てのプロジェクトがそうではないのですが、弊社では「共同体感覚を持つ」ということで、全社的にスキルを共有して助け合う文化があります。そんなスタイルを受け入れてくださり、色んなエンジニア・デザイナーとも接していただいたからこそ上手く進んだのだと感じています。

プロジェクト全体を動かすプロジェクトマネージャーの進め方も非常に信頼でき、デザイナーを抱える私たちから見ても、クリエイター特有の特性を理解し、最高のパフォーマンスを引き出していると感じましたね。 もちろん、私たちもクリエイティブの会社として、デザインやモーション演出といった部分で細かなこだわりを出すこともあり、それが時にご迷惑をおかけした可能性はあります。特にエンタメ領域のデザインにおいて、必要なタイミングで的確なスキルを持った方が加わり、協業できたことは非常に良かったです。フィグニーの高い技術力と、私たちに寄り添い共にプロダクトを創り上げていく姿勢に感謝しています。

ー素晴らしい評価をいただき大変恐縮です。そうおっしゃっていただけると、私たちも嬉しい限りです。 では、そんな協力体制で作り上げたアプリについて、現在の状況や手応えはいかがでしょうか。

アプリをリリースしてから約1年が経ちましたが、正直なところ、苦戦している部分もあれば、手応えを感じている部分もあります。現状ではまだ認知度が十分ではないため、まずは使ってもらえるように広めていくことが最初の課題だと感じています。ただ、焦って一発当てるような性質のものではなく、沖縄の地にしっかり根付いて、文化の一部として定着してくれたら、これほど嬉しいことはありません。自治体が作ったものではないアプリが、地元の人々に愛される存在になるのは、非常に面白いことだと思います! 特に、リリース初期にダンス動画バトル企画を実施した際には、ダンススクールの方々にもご協力いただき、大きな反響がありました。この経験から、ダンスというジャンルは非常に相性が良いと考えています。 現在は、さらなる使いやすさや企画の幅を広げるための改善も検討しています。これからもユーザーの皆さんの声に耳を傾けながら、沖縄の若者たちの日常に寄り添うアプリとして、大切に育てていきたいですね。

ーありがとうございます。お話を伺って、アプリへの熱い想いと今後の展望がよく伝わってきました。様々な可能性を秘めたプロジェクトだと改めて感じます。ちなみに、今回のプロジェクトを100点満点中でいうとどのくらいでしょうか。

100点だと思います。 もし今後、新しいアプリを開発するとしたら、迷わずフィグニーにお願いすると思います。 総合的に見て、本当に仕事がしやすかったです。

ー100点満点とのお言葉、開発チーム一同、感激しております!『仕事がしやすかった』というお言葉も、私たちにとって最高の評価です。今後もこのプロジェクトに全力を尽くし、伴走させていただきます。

株式会社TRIBALCON

ー最後に、御社の今後の展望を教えてください。

そうですね。私たちが作ったアプリが、いつか沖縄の生活の一部として、自然に広がっていく未来を描いています。地元の人なら2人に1人は持っているような、そんなアプリになってほしいです。最終的には「これって県が作ったやつじゃなかったの?」と間違われるくらい、地域に深く根ざした存在になれたら最高ですね。
というのも、私たちバルコロニー・トリバルコンは、日本のカルチャーを大切にする会社です。IT技術だけでなく、カルチャーを通じて日本が活性化する。そこには地域貢献もあり、非常にやりがいのあることだと感じています。特に、地域の若者たちを元気にできるような活動は、一般的なITでの地域貢献とは一線を画す、新しいアプローチだと考えています。
さらに、アプリを地域活性化や採用に繋げたいという思いもあります。例えば、アプリ内で「才能発掘オーディション」のような企画を実施し、企業が動画を通して才能ある若者を発掘し、採用に繋がるような仕組みも作っていきたいですね。 現状、このアプリは少し「遊び方が分かっている人」じゃないと楽しみにくい部分があるかもしれません。今後は、遊び方を提案し続けることで、より多くの沖縄の方々に、このアプリの面白さが伝わるように工夫していきます。そして、遊び方を知っている人たちが中心となって、どんどんバトルが立ち上がっていくような、そんなコミュニティが生まれることを期待しています。

わぉ!

デイリー動画バトルアプリ「わぉ!」はこちら

https://wao.okinawa/

株式会社TRIBALCON.はこちら

https://tribalcon.co.jp/