開発実績インタビュー
株式会社KD3
代表取締役 門垣 勇太 様
CHRO/HR事業責任者 野口 豊 様
株式会社KD3代表取締役の門垣勇太様
INTERVIEW
株式会社KD3は、様々なクライアントの採用支援に携わる中で感じた採用手法の課題に対し、「転職者がここで働きたいと思えるような情報発信の徹底」が重要な切り口であると考えていた。そこで、企業のリアルな情報を入社前に知ることができるインタビューメディア「リクプル」の開発をフィグニーに依頼。 代表取締役の門垣勇太様と、CHRO兼HR事業責任者の野口豊様に、メディア立ち上げの背景、フィグニーを開発パートナーに選定した理由、そして今後の展望について伺った。
プロジェクト概要
フィグニーは本プロジェクトにおいて、従来の求人サイトとは一線を画し、企業の詳細な情報を転職希望者へ深く届けることを目的としたインタビューメディアの開発を担当しました。 本システムは、フロントエンドにはNext.jsとUIフレームワークのRefineを採用し、サーバーサイドの処理とデプロイ基盤にはVercelを、そしてデータベースにはSupabaseを活用した技術スタックを構築しました。 KD3の採用支援メンバーと利用企業が対談形式で企業の魅力を掘り下げ、求人情報としてコンテンツを生成する特性上、管理画面のUIや各種管理機能においては、ユーザーが容易に更新作業を行えるような設計と実装を重視しました。
ーまず、御社の事業内容についてお聞かせください。
株式会社KD3は、約2年前に私門垣が完全独立という形で設立した会社でございます 。現在は、採用支援事業をメインに展開しております 。私自身、以前勤めていた会社で人材紹介、人材派遣、求人広告を扱うHRサービス企業の支援に携わっていた経験と、サラリーマンとして新卒採用・中途採用の実務経験があり、HR業界においては約8年間、この分野に従事してきました。その経験を活かして現在の事業を行っています。
ー今回のインタビューメディア「リクプル」を立ち上げた経緯を教えてください。
コロナ禍を経た現在、転職者や求職者といった人材不足が大きな課題となっており、採用トレンドも変わったことで、求人媒体や紹介会社を活用する旧来のやり方だけでは採用が困難な企業が顕著に増加しています。 私自身が中小企業から大手企業まで、様々な企業において採用支援に携わる中で気づいたことがありました。それは、多くの企業が自社のことを十分に知ってもらう努力をせず、採用手法のみで採用市場や転職者と向き合い、施策を講じているという点です 。 私は、それよりもまず、転職者が「ここで働きたい」と思えるような情報発信を徹底することが、今最も重要であると考えております。この考えに基づき、「リクプル」を立ち上げ、現在に至ります。
ーコロナ禍がきっかけの一つだったんですね
そうですね。コロナ禍前後で大きく変化したのは、それまでは求人媒体に掲載すれば応募があったにも関わらず、コロナ禍以降は応募が激減したという声が非常に多く聞かれるようになったことです 。定量的な分析を行ったわけではありませんが、コロナ禍が収束し経済活動が再開したことで企業の人的需要が増加した一方、労働供給側の人材は減少し続けている状況にあると感じています。この需給ギャップが著しく拡大したことで、人手不足を実感する企業がさらに増加したと考えています。
ー「働きたいと思えるような情報発信の徹底」というアプローチでの採用支援を行うメディア「リクプル」の開発を進めていくにあたり、フィグニーを開発パートナーに選んでいただいた決め手は何でしょうか。
私がフィグニーに発注を決めた理由は、大きく2つございます。 まず一つ目は、フィグニーとお付き合いされていた既存のお客様の満足度が非常に高かった点です。開発に対して真摯に向き合い、単に開発を行うだけでなく、ビジネスモデルを深く理解し、お客様の要望を具体的に落とし込むという点を、里見代表が当初から非常にこだわられていたことを、発注前から認識しておりましたので、それが最も大きな決め手となりました。 二つ目は、フィグニーが外注をせず、開発からデザインまで全て自社で内製されている点です。これは外部からは分かりにくいことかもしれませんが、私自身、多くの開発会社と取引をしてきた経験から、開発を外部に委託するとコミュニケーションの齟齬が生じやすく、最終的にお客様の負担となるケースを多数見てきました。そのため、フィグニーのように内製されていることで、開発中のリスクが起こりにくいのではないかと考え、今回発注を決めさせていただきました。
ーありがとうございます。特に弊社として大事にしている点を評価していただき、大変嬉しく思います。絶対に外注しないという点においても、フィグニーとして責任を持って取り組む姿勢を重視しております。 続いて、本プロジェクトにおけるフィグニーへの評価を伺えますか。
評価としては、非常に良かったです。まず、皆様の役割分担が明確であり、誰に何を伝えれば良いかが明確だった点、そして全体のスケジュール調整を臨機応変に対応してくださった点が有り難かったです。また、定例の打ち合わせを頻繁に実施してくださったことで、細部にわたる認識のすり合わせが綿密に行えたことも良いポイントです。 初期の設計段階では、デザイナーの方が画面イメージを詳細に作成してくださったため、完成形を明確にした上で進めることができました 。結果として、納品までは非常にスムーズでした。 また、「こうしたい」という要望に対して、いつまでに対応可能かといった明確な期限を設けて可視化してくださったため、その進行が非常に分かりやすかった点も高く評価しております。 今後はメディアサイトとして、アクセス数をきちんと取れるようなサイトになっていきたいと考えていますので、そういう意味ではSEO関連の提案をしていただけたら更に助かったかなと思います。
ー光栄な評価をいただきありがとうございます。サイト公開からまだ日は浅いですが、「リクプル」の実際の効果や、お客様からの声についてお聞かせください。
このメディアの最も良かった点は、営業を行う際、非常に効果的な販促情報ツールとして活用できていることです。これまで採用支援パッケージをご提案した際も肯定的なご返答はいただいておりましたが、このメディアをお見せすると、「対談形式の記事で、確かに自社のことが分かりやすい」と強く共感していただけるようになりました。 さらに、対談記事に関して「記事を他の場所でも使いたい」「社員にその記事を見せたい」「応募者に対し、もっと理解して入社してもらうために、記事を共有したい」といった声が上がっており、エンゲージメントを高める素材としても活用されております。これは元々構想の一部にはございましたが、お客様がこのような形で活用してくださり、自社のことを客観的に分かりやすくまとめることに対し、感謝される機会が明らかに増加しました。これにより、サービスの品質が向上したと実感しております。 また、既に掲載企業のうちの1社が、1名の採用に至ったという結果も出ております。
ー利用企業からも高評価をいただいているんですね。弊社も掲載しておりますが、「リクプル」は採用媒体でありながら、綿密なインタビューから記事公開まで全て御社の方で対応していただけるので、手間がかからないですし、弊社のことを深く理解して制作されていると感じます。
はい。現在、初期開発段階で非常に綺麗に制作していただいたおかげで、掲載件数も順調に増加しております。かなりの数の記事が掲載される見込みですので、今後、情報の整理方法や、メディアの閲覧数を増やすための仕組みや施策を検討していく必要がございます。その際には、改めてフィグニーに追加発注を検討させていただきたく思っております。
ー大変嬉しいお言葉をありがとうございます。今後「リクプル」をどんなメディアにしていきたいかをぜひ教えてください。
「リクプル」の最も重要なコンセプトは、「企業のことを誰よりも深く理解できるメディア」にすることです。現在の主要な求人媒体の多くは、仕事内容、給与、福利厚生といった情報のみで完結している傾向があります。確かにそれらの情報は転職者にとって関心のあるものですが、私はそれだけでは不十分だと考えております。 経営者の人物像や事業概要、労働環境への取り組みなど、求職者が本当に求める情報を網羅的に提供し、それらが整理された美しいUXを追求していきたいです。将来的には、チャットボット機能などを導入し、求職者がリアルタイムで必要な情報を得られるような仕組みも検討しております。給与や福利厚生といった情報だけで応募の判断がなされるのではなく、まず企業の魅力を十分に理解していただいた上で、次に条件面を確認するというプロセスを転職者の方々に踏んでいただきたい。そして、「リクプル」というメディアを通じて、企業と求職者のミスマッチを無くしていきたいです。
株式会社KD3代表取締役の門垣勇太様(右)、フィグニー代表の里見(左)
ー最後に、御社の今後の展望を教えてください。
採用支援事業については、人材募集の入り口において、いかに不適切な求人を減らしていけるかを事業推進における重要なミッションとしております。現在、主にリクルート系の媒体に注力しておりますが、今後はwantedlyやマイナビといった主要媒体へと幅を広げていきたいと考えています。また、新卒採用を支援できるようなサービスや、内定後のハイレベルな研修、そしてオンボーディングに特化したサービスの立ち上げなど、企業様とより長期的なお付き合いができるようなプランを構築していきます。 KD3全体のビジョンとしては明確で、現在のBtoB事業を基盤として、お客様の共通ニーズをサービス化し、事業化、そして成長に応じて分社化、最終的にHD化を目指しています。このHDを通じて、多くの社長やメンバーを育成し、それぞれが多様なキャリアを描けるプラットフォームを構築したいと考えております。HR事業に携わる者として、「人が最も中心にある」という考えは変わりません。この「人が成長できる環境づくり」を実現することが私の夢であり、将来的には事業を100個、社長を100人輩出することを目指しています。採用支援事業は、この目標達成の一つのきっかけであると捉えております。