実績紹介インタビュー
学校法人大原学園 熊本校
副校長 藤田 隆之 様
教務部 教務1課 藤田 健人 様
大原学園熊本校教務課の藤田健人様(左)、同校で副校長を務める藤田隆之様(中央)、フィグニー代表の里見(右)
INTERVIEW
大原学園熊本校は、IT分野の人材不足やゲーム分野などの新産業の人材育成に対応するため学校の再編成を行い、さらに即戦力を教育する新たなカリキュラムを検討していた。その一つとして、教育に理解があり人材育成という目的を共有できるIT企業とのタイアップを希望していたところ、フィグニーのエンジニア育成事業をインスパイアした産学連携授業が実現。副校長である藤田隆之様と、教務部の藤田健人様にタイアップ授業の感想や教育機関としての人材育成への想いを伺った。
ーCMでも度々お見かけする御校ですが、改めてどのような学校でしょうか。
熊本校は、専門学校を中心に全国展開している大原学園の九州エリアにおける4番目の拠点として、福岡市、北九州市、大分市に次いで2016年4月に開校しました。簿記、情報処理をメインとする簿記情報校と、スポーツトレーナーや公務員を目指すスポーツ公務員校、そして保育士あるいは介護士、医療事務の分野を目指す保育医療福祉校という3校を設置していましたが、時代のニーズに合わせ、今年の4月に既存の学科を簿記、ビジネスの分野、公務員受験をメインとする大原ビジネス公務員専門学校 熊本校、
そして保育・医療事務、スポーツトレーナーの分野を展開する熊本保育医療スポーツ専門学校に集約すると共に、産業構造の変化により人材が不足しているIT業界や、今後大きく広がりが予想されるゲーム業界で活躍できる人材を育成していくための熊本情報ITクリエイター専門学校を開校し、学校の再編成を行いました。
ー今回ご依頼いただく前、どのような課題を抱えていて、なぜフィグニーを選んでいただいたかを教えて下さい。
大原学園における従来の情報系教育は、資格取得をメインとする知識中心の教育カリキュラムであったものを、実践的なプログラミングスキルを身につける実習中心のカリキュラムに変えていくという学校展開を全国的に行っており、その流れで今回新たに熊本に学校を開校することになりました。大原学園として教育カリキュラムを変えていく過程で、教員研修にも力を注ぎ、教員の人材育成を行っていますが、地方の場合には人材確保の面でも、育成の面でも容易ではありませんでした。また、熊本県・熊本市は現在積極的に企業誘致をしており、多くの企業が熊本県への企業進出を考えているものの、一番の課題は人材の確保であると感じたため、学校と企業が連携して教育環境を整えていくことで、双方の課題が解決できるのでは?と感じていました。
そのような想いで、教育に協力していただける企業を探していたときに、熊本市でスタートアップ支援をしているXOSS POINT(フィグニー熊本オフィスが入居)の紹介を通して、フィグニーさんに出会い、里見代表とお話させていただいたところ、教育に対する理解や関心が深く、人材育成にも非常に前向きなお話をいただきましたので、教育という目標を共有できるパートナーとして、ぜひフィグニーさんと連携させていただきたいと思い、お声がけさせていただきました。
ーありがとうございます。本当に光栄です。教育という観点では社内でも未経験から育成したエンジニアが1/3くらいおりますし、法人向けにも未経験人材を育成するサービス(みずから動くエンジニア)を提供しています。ただ採用の観点では、新卒から即戦力になる人材を目指せる教育を目指してもらえたらいいなと思う部分もありました。
はい。専門学校として、学生が在籍している期間の中で身につけるべき技術は、企業が採用基準として必要とする技術の水準に近づけていかなければならないと思います。そのためには、教育を提供する学校側も教員を育成していくべきだと考えています。
しかし、教員は教えること以外にも業務は多くありますし、普段は実務についている訳ではありませんので、そこには限界もあります。そのため、企業と連携した教育環境を提供することは学生が実践的なスキルを身につけていくこともできますし、 現場での新しい技術を身につける機会が少ない教員に対しての教育も担うことになると思っています。
ー企業が授業に関わることによって、教員の方に対する教育や知識になればという思いもあったんですね。
そうですね。地方の場合IT企業が少ないので、開発経験が豊富な業界経験者を教員に雇いたいと思っても、そもそも業界自体が人材不足に陥っていますし、更にその中から教員という職業を意識しているとなると、ほぼいないんですよね。教員を調達したくても出来ないとなると、地元で教育を受けたい学生に対して教育環境を提供出来ないということになります。そうならないために、ある程度の知識はあっても実務経験がない、または実務経験が浅い教員に対する研修制度を充実させながら学習環境を整えていますが、その際に企業に教育に加わってもらうことで、学生に対して実践的な技術を教えるだけでなく、教員の知識や技術の向上になるのではないかと感じていました。
企業と連携して教育環境を作ることで、学生に対する実践的な教育の提供だけでなく、教員のスキルアップにも結びつくことができますし、常勤である教員にしかできない、学習後のフォロー等に注力できる機会も生まれます。また、企業にとっては教育に携わることにより、優秀な人材の発掘や育成、授業を通した職員のプレゼンテーション力の向上等の効果も期待できるので、それぞれにメリットが生まれると思いました。
ーとても先進的な試みだと思いますし、その推進力が素晴らしいです。実際にその一部に携われたという事で光栄に思います。
ー続いて、授業についてもお伺いできればと思います。今回は70人超の学生に対して、リモート体制でIT研修をさせていただきました。全体的な所感としてはいかがでしたか?
今回の授業を実施する目的として、外部から企業で現場経験のある方に来ていただく授業というところが学生たちにとって大きな刺激になっていました。大原の教員の授業だけでは伝えきれない、エンジニアとして様々な経験をされて得た情報を学生が知れる機会となり、モチベーションの向上に繋がると思います。
一方で、今回リモート体制での授業は初の試みでした。学生たちは普段目の前に先生がいるという授業の感覚がありますので、最初は慣れない学生もいたと思います。
ーそうですね。今回は学生たちが一つの空間で授業を受けていたので、マイクをオンに出来ないなどの環境的な問題がありました。その際には、学生が自由記入ができる質問シートを共有することや、ブレイクアウトルームで個人部屋を作るなど工夫をさせていただきましたが、授業内容とは別に、そういったご提案はいかがでしたか?
学習環境においては学校側が整えていくべきと考えていますので、工夫できる部分やお気づきの点があれば、どんどん言っていただければ有難いです。それに、コロナ禍を通してIT業界ではリモート勤務も一般的になってきていますので、専門学校の授業もオフライン授業だけを前提とするのではなく、オンライン授業での学習環境の向上も図っていきたいと考えています。決して地方だからという消極的な理由ではなく、お互いに建設的な打合せなどをしながら、オンライン授業だからこそ実現できることを取り入れて、クオリティを高めていければと感じています。
ーありがとうございます。我々の強みとして「ライブコーディング」という講師が画面を共有して実際にプログラムを書いていく方式を取り入れており、書きながら学生の顔も確認していると理解度もわかりますし、効果を感じます。これはオンラインでも全く影響ありませんので、そう言ったことをどんどん取り入れられればと思います。
そういう提案は本当に有難いと思います。 教室に集まっている学生に対してオンライン・オフラインを混合した授業は始まったばかりで、お互いに問題点や課題を感じないということは決してないと思います。お互いに遠慮してそれらを放置するのではなく、そこを解決して、連携授業を売りにできるようなレベルまで持っていければと考えています。そこを目指していくためにもフィグニーさんとの関係を大事にして、連携を継続していきたいと思っています。
ー承知いたしました。今後も課題に真摯に向き合って相談しながら、サービスを提供させていただければと思います。
ー最後に、御校の今後の展望を教えてください。
熊本県では、県及び県内市町村が連携して企業への誘致活動を行っており、既に進出した企業や進出を検討している企業が数多くありますが、人材をいかにして獲得していくかが大きな課題となっています。他の国や地域から熊本県に流入してくることも重要ですが、できれば地元から人材を輩出していく方が労働の二極化を防ぎ、熊本県の過疎化を食い止め、地域経済が発展することに繋がりますし、熊本県に進出した企業にとってもメリットが生まれると思います。行政の誘致がきっかけで立地した企業がありますが、実際に来てもらっても、なかなか地場で人材を採用できないという課題を抱えた企業が多いです。そのため、熊本校として熊本の地で学校をやっていく以上は、熊本の行政機関や熊本の企業又は熊本に進出した企業と連携しながら教育環境を整えて、熊本の学生が、都市部と遜色ない学習環境で知識や技術を身につけ、大半の学生が熊本で就職する。学校を通してそのような人材の循環を作れたらと思っています。
また、若い頃に東京に憧れて就職したとしても、いつか地元に戻ってこようと思った時にその地元企業が定着しなければ戻る場所も無くなってしまう。そんな衰退状況にならないためにも、地元企業に安定的に人が集まって、企業が問題なく運営できる状態に貢献していきたいと考えています。
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